シンデレラレッスン3

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みつお君が オデコを擦ってくれながら 「みいが『変な顔』ゆーから」 と、口を尖らす 「だって変な顔じゃん! みつお君の爽やか~な笑顔の時って 少しイライラしてるデショ~? 作り笑顔 不気味だよ~?」 いたい子を見る目をする 「ブキミゆーな 練習したんだぞー」 「へっ?」 ふわっと抱きしめられた 「ゴメン…ちょっと妬いたかも」 トクトク少し早めな みつお君の心臓の音 「俺の家 ほとんど親とか 居なかったから アルバムなんて無いし… 楽しい思い出もよくわからない」 うん うんと頷き 少し震える背中を抱きしめた みつお君がどんな 寂しい想いをしてきたかは 私なんかに想像もつかないけど たぶん 作り笑顔はそれを 周囲に悟られないようにする 優しいウソだったのかな ごめんね『変な顔』なんていって 「いっぱいさ、これからは 楽しい思い出つくっていこ?」 『うん…』 返事の代わりに 強く 抱きしめられた みつお君にとって私も 『腹心の友』 でありたいと  心の中で誓った
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