シンデレラレッスン6

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一人ぼっち? ユキさんが私を車に促して やがて静かに発進させると ポツポツとみつお君について 話してくれた 認知されずに生まれた赤ん坊 住む場所とお金は用意されて いたが、母親にとって切り札で しかなかった ベビーシッターに任せて 殆ど会いに来なかった 大人しくて、友達も作らず 他人とあまり関わらない ようにしていた… けれど成長過程で驚異的な 学習能力が見えてくる IQが200近くある いわゆる天才だった 母親は切り札を父親に見せて 父親もその子共が欲しくなった 自分の後継者に育て上げる ためだけに 引きとってこられたという 「ユキさんは…何故 そんな話を私にするんですか?」 「初めて光雄さんが親しくなった 友人だから  あなたといると光雄さんの世界 が広がるの」 いとおしそうな眼差しをする 『ユキさん……?』 ―――――みつおさんをよろしく ユキさんは、私を家の前で 降ろすと そういって 帰っていった
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