第1章

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 目からカギが飛び出すほどパニックになりながら、ジャックはあわててこう言った。 「あー、そこダメなのよーっ、入らないでねーっっ!」  女の子は黒ネコのように飛びあがった。 「あなた……かぼちゃのお化け?」 「ちがう、ちがう~、ボクはかぼちゃ男のジャックさ! 大きなカラスさん!」 「こっちも大きなカラスじゃないわ。わたしはリジー。魔女よ」 「へぇー、じょま。ボク、じょまさんに会ったの初めてだー」 「反対にして呼んでるわ。あなた、頭がさかさまになってるのね」  リジーは自分の黒い靴のかかとをあげて、ジャックのかぼちゃ頭を直してあげた。  ジャックはうれしくなって両手を顔のまえで組んだ。 「ありがとう、ありがとう! ボクの頭を直してくれたのは今までシュタインだけなんだ。ありがとう、じょまさん!」 「わたしはま・じょ! こんど間違えたら、また頭をさかさまに戻すわよ。シュタインはなんだってこんなのを玄関に置いておくのかしら。ねぇ、ところでシュタインはどこ?」 「シュタインはおでかけしてるよー。だからボクは留守番なんだ。たらららん♪」 「留守番なんて、いてもいなくても同じじゃないかしら」
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