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目からカギが飛び出すほどパニックになりながら、ジャックはあわててこう言った。
「あー、そこダメなのよーっ、入らないでねーっっ!」
女の子は黒ネコのように飛びあがった。
「あなた……かぼちゃのお化け?」
「ちがう、ちがう~、ボクはかぼちゃ男のジャックさ! 大きなカラスさん!」
「こっちも大きなカラスじゃないわ。わたしはリジー。魔女よ」
「へぇー、じょま。ボク、じょまさんに会ったの初めてだー」
「反対にして呼んでるわ。あなた、頭がさかさまになってるのね」
リジーは自分の黒い靴のかかとをあげて、ジャックのかぼちゃ頭を直してあげた。
ジャックはうれしくなって両手を顔のまえで組んだ。
「ありがとう、ありがとう! ボクの頭を直してくれたのは今までシュタインだけなんだ。ありがとう、じょまさん!」
「わたしはま・じょ! こんど間違えたら、また頭をさかさまに戻すわよ。シュタインはなんだってこんなのを玄関に置いておくのかしら。ねぇ、ところでシュタインはどこ?」
「シュタインはおでかけしてるよー。だからボクは留守番なんだ。たらららん♪」
「留守番なんて、いてもいなくても同じじゃないかしら」
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