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ジャックはおしりに火がついているように右に左に走り走り、どこにも逃げ場がないことを知ってから、ベルベットのカーテンのうらに隠れた。
「もしかして、火がこわいの?」
リジーが聞いた。
「えっえへへへー? こわくなんかないよー?」
「ふーん?」
疑うようにそう言うと、リジーは持っていた杖の先に魔法をつかって火をつけた。
「ヒーーーーーっ!」ジャックは悲鳴を上げた。
「やっぱりこわいんじゃないの」
「こ、こわくなんかないよ、ただ、それ、いやなんだっっ!」
暖炉はマホガニー製の重い机の裏に隠されていた。
リジーは暖炉に火をつけると、ジャックのいるはずのカーテンをふりむいた。
「なによ、やっぱりこわいんじゃない」
ジャックは廊下の端まですっ飛んでいた。
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