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…何で、こんな事を言ったんだろう? 血の気が引きそうになったが、万理が 「マジっすか? 本当に助かります! ありがとう、ティーくん!」 と叫び、嬉しそうに笑ったのを見て、 「こちらこそ、よろしく。」 と答えてしまった。 万理の行動の速さは目を見張るものがあった。 落ち着いて話をする前に、彼は廊下の床にビニール袋を放り出し、姉に電話を掛けて言う。 「あ、姉ちゃん? 今からアパート戻るから部屋に居てよ。 ん?いや、荷物運ぶだけだから、また直ぐに出る。 前に話したティーくん、居候していいって言ってくれたんだ。 取り敢えず必要な物だけ持って行くから。」 俺が呆気に取られて見ていると、万理は身振りで『袋の中身をどうにかしてくれ。』と催促する。 中にはコンビニで買って来たアイスやスイーツが入っていて、俺はそれをいそいそと冷蔵庫に運んだ。 キッチンから戻ると、万理の電話は終わっていて、外に出ようとしている所だった。 彼は俺に 「身の回りの物、持って来るよ!」 と笑顔で言う。 俺は、今にも飛んで行きそうな彼を捕まえ、 「ちょ、ちょっと待て! うちは居間の他に寝室一つしかないの分かってるよな?」 と釘を刺す。 すると万理はにっこり笑い、 「最低限の物だけにするから大丈夫だよ。」 と答えた。

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