第1章

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「さらさら、ふわふわ、きれい」 街中にあるブライダル店に飾られた衣装を見ると、いつも立ち止まり目を輝かせて見ていた。 「好きだねえ」 何時ものことだからか、母親は苦笑いをしている。 「僕、大人になったら絶対あれ着る」 ドレスを指差して宣言する子供に、一瞬母親は困惑した表情を見せるが、すぐに笑顔になる。 「着れたらいいねえ」 「絶対だもん」 自信たっぷりに断言する我が子に、母親は小さくため息をついた。 あれから、10年後。 僕は私になって、ウエディングドレスのファションショーでモデルをしている。
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