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「水が湧けば、町の暴動は治まるかもしれないけど、伯爵の襲撃は治まらないよね」「治まらないだろう。まず、間違いなく。まだ情報が少ない。情報を集めるのが先のようだ」
天使は、ひとつ頷いた。
「伯爵は別宅にいるよ。あたしは、そこから逃げて、隠れていたの」
「別宅か。では、別宅とやらに案内しろ。忍び込む」
天使は目を丸くしたが、迫力に負けて頷いた。
「う、うん。こっちだよ」
家政婦が逃げた方向へ歩き始める。
祭壇とは別方向に、屋敷が見えてきた。伯爵の家紋がついた門前をさりげなく通り過ぎ、天使の案内で裏門へと回る。先程の家政婦が、他の人々と、騒ぐ声がした。
「む」
壁を背にし、顔だけ出して様子を伺う。
「まさか、死神に出くわすなんてね。あたしどうしたら良いんだい」
「それもですが、私には天使が死神と居たと言うことが、不思議ですわ」
「伯爵様には天使の事をお話したのか」 家政婦が首を振る。
「旦那様は今、お客様とお話中でして」
こそこそと離れていく。「客と話し中らしい」
「伯爵は、誰と話をしてるんだろう」
青年の後をついていきながら、疑問符を飛ばす。天使にも伯爵が誰と話をしているかわからないらしい。
伯爵、リブラート
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