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「あ、あの、バイ菌..はいっちゃうので一応つけておいてください..ね??」
マジかよ。....その顔..反則だろ..。
今まで真っ赤にして俯いていた顔をあげ、俺に向けたその表情は、
頬は照れていたときの名残かまだ赤く、
慎重差のせいで上目遣い。
しかも、無意識なのか絆創膏を貼ったほうの手に自分の手を重ね、潤んだ瞳で、透き通ったような声で
忠告をしてきた。
そのときはじめてちゃんと顔を会わせたからか、段々とこいつの外見がわかったきた、。
髪はハニーブラウンで、瞳は透き通った翡翠色。
背は小さく、端からみると幼さを感じさせるが、醸し出しているオーラは、まるで誘うような、誘惑するような、そんな、雰囲気だった。
そいつをちゃんとみて、自分の鼓動が高鳴ったとき、
俺は思ったーーー。
自分の、。モノにしたい。
コイツに、俺だけを見て欲しい。
こんな気持ちになったのは。
生まれて、初めてだ。
「お前..名前は..。」
「か、神崎..翠..です..。」
翠..。みどり、ね。
今日は面倒くさい一日で終わると思っていたが..
たまには良いことがあるもんだ。
今回ばかりは道下に感謝、だな。
おれは、にやけそうになりながらも、相手に笑顔をむけた。
しばらくして本を渡し、??といった顔をしている翠に俺は、またな、と、言って、図書室を後にした。
こんなに欲しいと思えるものが今、一瞬で出来た。
今日一日でこいつとの関係を終わらせる気はない。
絶対に..おとしてみせる。
ーーーーー狼が恋を知らない純白子猫に恋をした瞬間。
狼が、心のうちに秘めていた甘い牙が剥かれていた。
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