[2]子猫、オオカミに捕まる。

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「あ、あの、バイ菌..はいっちゃうので一応つけておいてください..ね??」 マジかよ。....その顔..反則だろ..。 今まで真っ赤にして俯いていた顔をあげ、俺に向けたその表情は、 頬は照れていたときの名残かまだ赤く、 慎重差のせいで上目遣い。 しかも、無意識なのか絆創膏を貼ったほうの手に自分の手を重ね、潤んだ瞳で、透き通ったような声で 忠告をしてきた。 そのときはじめてちゃんと顔を会わせたからか、段々とこいつの外見がわかったきた、。 髪はハニーブラウンで、瞳は透き通った翡翠色。 背は小さく、端からみると幼さを感じさせるが、醸し出しているオーラは、まるで誘うような、誘惑するような、そんな、雰囲気だった。 そいつをちゃんとみて、自分の鼓動が高鳴ったとき、 俺は思ったーーー。 自分の、。モノにしたい。 コイツに、俺だけを見て欲しい。 こんな気持ちになったのは。 生まれて、初めてだ。 「お前..名前は..。」 「か、神崎..翠..です..。」 翠..。みどり、ね。 今日は面倒くさい一日で終わると思っていたが.. たまには良いことがあるもんだ。 今回ばかりは道下に感謝、だな。 おれは、にやけそうになりながらも、相手に笑顔をむけた。 しばらくして本を渡し、??といった顔をしている翠に俺は、またな、と、言って、図書室を後にした。 こんなに欲しいと思えるものが今、一瞬で出来た。 今日一日でこいつとの関係を終わらせる気はない。 絶対に..おとしてみせる。 ーーーーー狼が恋を知らない純白子猫に恋をした瞬間。 狼が、心のうちに秘めていた甘い牙が剥かれていた。
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