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「そ、そんな!私は国中の笑い者であったというのか………」
男の娘に惚れ、婚約者と勘違いし、一方的に婚約破棄を言い渡す。
これ以上の道化はない。黒歴史になること請け合いである。
「お、王子様、どうか気を落とさずに………」
あまりの憔悴ぶりに王子を励ますジョージア。
「うるさい!そもそも貴様が美人なのがいけないんだ!チクショー!」
「あっ、お待ちください、王子様!」
盛大に涙を流し走り去る王子と、それを追いかけるファンタ。
「さあ、中断したパーティーを続けよう。なお、賭けの当選金は明日より城にて引き換える!」
泣きながら去る息子を心配もしない国王。こんな王家に嫁ぐジョージアは大丈夫であろうか。
一月後、アクエリアス王国にて第一王女の結婚式がひらかれた。
純白の騎士礼装に身を包んだ新郎は線は細いものの堂々としており、他国の賓客を唸らせた。
純白のウェディングドレスを身に纏う新婦は赤く染まった美しい顔を俯かせ、男女を問わず虜にしたという。
国中がこの婚儀を心から祝い、どの街でもお祭り騒ぎとなった。
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