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「ジョージア公爵令嬢、そなたとの婚約を破棄する!以後、心美しい隣国のファンタ子爵令嬢を婚約者とする!」
ここはアクエリアス王国の首都にある国立魔法学園。
今卒業記念のダンスパーティーが国王夫妻の臨席を仰ぎ始まったばかりであった。
出席していた者達は、いきなりの宣言に声をなくしている。
国王夫妻は怒りを抑えているのか、体がブルブルと震えている。
脇に控えた第一王女の体も震え、腰に装備した剣が鎧に触れカタカタと鳴っていた。
王女が鎧姿に帯剣しているのは、彼女が親衛騎士団の団長を務めているからである。
幼い頃から剣術に興味を持った彼女は、メキメキと腕をあげ国内に並ぶ者はいない腕前となっていた。
「王子様、私との婚約を破棄する事は不可能です」
感情を出さずに淡々と言い返すジョージアに、王子の怒りは高まっていく。
「私が破棄すると言ったら破棄するのだ。異論は認めん!
更にジョージアはか弱いファンタを苛めていたな?その罪は裁かれねばならぬ!」
「私がファンタ子爵令嬢を、ですか?
身に覚えがありませんが」
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