血の女王

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あれから100年後 紀元前500年 貧しいボロ小屋で、一人の男の子が産まれた。 その子の名前はアレク。 アレクはアレクサンダーの生まれ変わりだった。 貧しさに関わらず、アレクはすくすくと成長すると運試しに家を出た。 アレクはこの近辺では珍しく精悍な顔で大男であった。 道中。 美しい乙女が、牧歌的な風景の中。黄金の麦畑で刺繍をしていた。 アレクは一目惚れして声をかけた。 「この素晴らしい麦畑はあなたのものですか?」 「いいえ。私の主人のものです」 アレクはすぐに心底がっかりした。 「ここから南東の城の前は立ち寄らないほうが良いわ」 「何故です?」 「そこには血の女王の統治する国があるわ。南東の近くを通るには血の女王の許可が必要なの。でも、許可を得るために大量の血を奪われて、私の主人は殺されてしまったの」 アレクは勇敢な心の持ち主で、その女王を乙女や人びとのために退治してあげようと決めた。 短剣を隠し持ち、南東へ差し掛かると、小石と雑草しかない道に、牛や馬の家畜と人びとの死骸が目立ち始めた。 死の匂いとはこういうものかとアレクは思っていると。 所々、鮮血で赤くなった門にたどり着いた。門番は一人もいなかった。
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