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前を歩く三人組がおもむろに振り返った途端、みたび大きな音が鳴り響くが今度のは警笛では無く、警報が唸り始めた。
そして広大な学園をスッポリと包む五重の結界を一瞬で吹き飛ばし、地上へ彗星の様に結果の粒子が降り注いだのもつかの間、ペガサスの群れをも凌駕する大きな影が飛来して来る。
ドカンと着地すると地を砕き、ペガサス達の引いていた馬車を尻尾で踏み潰し、ペガサス達が散り散りに怯えながら近くの茂みに隠れた。
『ご到着ですアイカ様』
『お尻いたーい!もっと慎重に降りてよ それに背中に硬すぎ!』
『聖剣エクスカリバーをも跳ね返す鱗ですから仕方ありませんよ』
着地による弾幕の様な砂煙りの向こうかでドタドタと慌ただしい音と、天を仰ぐほど見上げなければ全体像がつかめないほどの大きな影に、生徒を含め全ての者が立ち止まり視線を向けている。
次第に暗雲の様な砂煙りが消え出した頃、傍観して生徒の一人が悲鳴を皮切りに、多くの人間が天を仰ぐほどのドラゴンに驚愕し慌てふためいている。
『あーあ。ハクリュウが目立つから』
『無理やりの所もありましたし仕方がないことでしょう』
生徒の混乱をよそに、先ほどの3人か徒党を組んでこちらの方へ人の波を払いのけ、駆け寄って来ている。
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