旅立ち

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イイン=サオリ 昨年のジュニアテイマーと言う、モンスターを扱い陸海空を制す近代五種の様な競技にてトップの成績を叩き出し、雑誌やコラムなどで今や有名人の仲間入りしてしまった華族の末裔とされている。 『意識があるなら大丈夫でしょう看守の方に手当てして貰いなさい』 長い髪をふわっと払い上げるとスタスタと何処かへ消えて行ってしまった。 それからも上級生の方々が、どんどんとモンスターに乗ってくるなか、また大きな怒号の様な警笛が鳴り響くが、今度は生徒達が二列に並び始めると、遠くから白銀に輝くペガサス達が大きな馬車を引きこちらへ向かって来る。 数十にも隊列の組まれたペガサスが着陸すると、辺りには大きな砂埃が上がり、待っている生徒へどさっとかかるなか、その砂埃が消えた頃合いになかから目付きの鋭い女性が3名降りてきた。 『ごきげん様皆様』 挨拶も程々に何があるでもなく生徒達の真ん中を堂々と歩く三人組のにまたもや、デカデカと警笛が鳴り響く。 『もう!本当に間に合うのハクリュウ!』 『アイカ様がヘルメットとゴーグルを嫌がるから遅くなるのです』 ハクリュウの声はもうさっきの様な人の声では無く、かすれる様な狂気の混じっている何処か恐い声へ変わっていた。 『いいから全速力でお願いー!』 『分かりました。では少し無茶をしますよ』 『あれーー警笛なったよね』 地上では生徒達が通路を開け、上を見たり辺りをキョロキョロと警戒しながら確認するも何も見えては来ない。 だが、その場にいるペガサス達の落ち着きがなくなり、何処かそわそわとしだした。 『おかしいですわね。そろそろペガ達が走り出す頃なのだけど』
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