序章

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董卓は漢の西の果て涼州よりはるばる何進の命をうけ軍を率いてきていた。 涼州には漢の国境に最も近く異民族が度々国境を犯し襲撃をかけてくる、 異民族は騎馬を巧みに扱い、弓の扱いも中原(中国の事)の兵とは比べられぬ程の腕前、何よりも筋金入りの荒くれ揃いだった。 自然と異民族との戦いに明け暮れる涼州の人民も異民族並みに騎馬や弓を使わねば生きていけず、異民族との混血も進み中原の民とは全く違う考えや力を持つにいたった。 それ故に最もよく反乱が起こり、董卓はその平定の為に漢から涼州へ派遣された将軍だったのだ。 過去形なのは董卓自身、殆ど異民族と戦わずに寧ろ異民族と交流を持ち自らの配下に組み入れていく程だったからだ。 黄巾の乱の際にも董卓は殆ど戦わずに逆に漢兵の足を引っ張り、漢の力を削いで来たのだ。 その董卓に何故宦官は近づいたのか? 皇帝を使い配下にする気だったのか、取引するつもりだったのか、単純に偶然か? しかし董卓は皇帝の名前のみで従わせる事ができる男では無かった。
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