序章

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「おーい!なにしてるのー!!」 かなり遠くからこっちに話しかけているので姿は分からないが、聴き慣れた声だったので誰かはすぐに分かった 名前は夏目歩美(なつめ あゆみ) 俺の幼馴染である。 健斗「おー!今そっち行くから待っててー!」 歩美「けーんーとー!!!」 恥ずかしいわ!大声で俺の名前を呼ぶな! 健斗「わかったからちょっとまってー!」 とりあえず叫ぶのだけでもやめさせなければと思い、こちらも出来る限りの大声で歩美に伝えようとするが 歩美「おーーい!!!健斗ったらー!!!」 悲しいかな、俺の声量じゃ歩美に伝わることがなかったようだ それを悟った俺は、猛ダッシュで歩美の元へ向かう。 歩美「けーーーんーーーむぐっ」 そして手のひらで歩美の口を押さえつけて無理矢理黙らせる 健斗「はぁ…はぁ…あゆ、み…うるさい…っうあああっ!?」 歩美が舌で俺の手のひらを舐めまわし、思わず変な声と共に歩美の口から手を離す 健斗「お、おおおいなんで今舐めた!?」 歩美「変な声出すかなと思って」 健斗「そら出すわ!もうビックリした…」 歩美「たまーに健斗って、男なのに女みたいな声出すよねー。まあ、見た目通りだしなんの問題もないと思うけどねー」 健斗「言わないでくれ…」 そう、俺はかなり女の子っぽいはらしく、学校でもよく男か女か聞かれる。 しかも男子校だから、良く他の男子に囲まれるし、囲まれたら中々抜け出すことができないので困っている。容姿自体に文句を言うわけではないのだが…色々と面倒な事が起きるのだ
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