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あの日、酔い潰れて寝てしまった彩葉を何も考えないで家へ連れて帰った。
仁と距離をおかせるために一緒に住んでいたこともあるし、同じベッドでも寝ていた。
だからあのときと同じ感覚で連れて帰ったんだ。
けれど──。
『凪さ~ん』
彩葉はあのときとは全然違っていて。
酔っているからか、甘ったるい声で俺の名前を呼びながら身体を擦り寄せてくる。
こういう風に寄ってくる女の振り払い方はちゃんと知っているはずだった。
というか、いつもすぐにそうしていた。
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