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第1話
(あらすじ)
主人公の山野あきは、19才の少女タレント。向上心と野望があり、しっかりした自分の考えを持っているが、それが撮影現場のディレクターとの衝突の原因になっている。
ドラマ撮影で、演技についてディレクターと口論になったあきは、ネットでファンのソーシャルにアクセスし、ファンの意見をきく。それがきっかけで、あきはそれ以来ファンの意見を取り入れた演技をするようになる。すると、ドラマの視聴率が一挙に上がる。
そのことを知ったテレビ局は、ドラマ放映中にファンのソーシャルの意見を取り入れて、その場で(ライブで)ドラマの進行を変えるという新企画を実施する。
新企画の視聴率はうなぎ上りになるが、ファンからあきへの演技のリクエストはだんだん過激になり、エロ・グロの方向へ向かう。最後にファンは、ドラマの中で、高さ12メートルの滝壺にあきを飛び込ませることを要求する。視聴率が下がることを恐れる現場スタッフは、ライブ放送中に、あきに飛び込めと指示する。その理由は、ファンが望んでいるから。
この時あきは、ディレクターの支配から逃れた自分が、いつのまにかファンに支配されていることを知る。そして、ファンの支配からは逃げられず、滝壺に飛び込む。
頸椎を損傷したあきはリハビリ後に何とか回復し、マイナーなタレント事務所に移籍して活動を続けるが、もうタレントとしてのし上がってやろうとは思わなくなっている。今の世の中では、結局ファンの支配から逃れられない、と分っている。
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