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「よう、起きたか?急に死にそうになるから驚いたよ」
その天使の言葉に、俺はまた助けられたのだと気付いた。
「あ、有り難う。助けてくれて」
そう言うと天使は笑顔で、良かった!喋った!と俺のベッドの横まで来た。
「此処は?」
「俺んち。今親父が食料調達に行ってるから、腹が減ってるだろうけど、もう少し我慢してくれな?」
目だけキョロキョロする俺の質問に、天使は優しく答えてくれた。
彼は本当に天使だったりするのかな?
笑顔がキラキラしてて眩しいや。
「何で助けた?放っておけば良いものを」
思わず目を背けて尋ねると、天使は呆れた声を出す。
「はあ?助けるのに理由は要らないだろ?」
「死にそうなのは俺だけじゃ無かった。全員を助けたのか?違うだろ?じゃあ何故俺?理由があるだろが」
俺も呆れた声で続ければ、それはそうか、と笑った。
「お前が子供だったからだな。周りは全部大人だったから自分で何とかしろって感じだけど、子供のお前は庇護される立場だろ?」
そう言われて、言葉に詰まった。
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