54人が本棚に入れています
本棚に追加
だからハンターの親父も宿屋の女将さんも、俺を拾ってくれたのか?
どうして見ず知らずの俺を信用して連れて行くのか不思議だったんだよな。
2人とも、ちゃんと勉強して将来楽をさせてくれ、と言っていたから、老後の面倒を見させる為なんだと思っていたけど。
だから思わず聞いていた。
「んじゃ、俺を助けて、これからどうするつもりだ?」
すると。
「は?どうって?」
キョトンとされた。
ああ、同じ子供のコイツに聞いても仕方無いか。
コイツの父親が俺をどうするつもりなのかだからな。
「いや、何でもない」
俺は真っ直ぐに見てくる目に居心地の悪さを感じて目を逸らした。
こんなに屈託の無い目で見られる事は少ない。
大抵は俺から視線を外せば何かを感じて遠慮するのに、コイツはまだ俺をジッと見ている。
何なんだろうな?
暫くすると、コイツの父親が帰ってきて、俺の無事を確認すると、お粥を作って食べさせてくれた。
流石に、フーフーされてあーん、は恥ずかしかったが、体力がスプーンを持てない程に落ちていて、仕方が無かった。
情けない。
最初のコメントを投稿しよう!