これまでの事

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「そう言えばバンは森から離れたがらないよな。お前の腕ならすぐにでも騎士になれるだろうに、やっぱり嫌か?」 家族が離れ離れになるのはなぁ、と淋しそうな顔をするゲンさんに、頭を下げて謝る。 「済みません。俺は首都には行きません。俺は森と共にあるハンターとして生きていきます。恩を仇で返す事になりますが、ごめんなさい」 と、何でだよっ!と掴み掛かろうとするダン。 それをゲンさんが止めて、バンの人生はバンのものだ、とダンに言い聞かせる。 「バンは家族で奴隷じゃない。俺は無理強いはしたくないからな、バンがやりたい事をやれば良い」 「だけどっ!」 「ならお前はやりたく無い事を無理強いされたらどう思うんだ?」 「そんなの嫌に決まってるさ!」 「ならわかるだろ?バンの好きにさせてやれ」 そんなやり取りを俺は黙って見ているしか無かった。
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