54人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう言えばバンは森から離れたがらないよな。お前の腕ならすぐにでも騎士になれるだろうに、やっぱり嫌か?」
家族が離れ離れになるのはなぁ、と淋しそうな顔をするゲンさんに、頭を下げて謝る。
「済みません。俺は首都には行きません。俺は森と共にあるハンターとして生きていきます。恩を仇で返す事になりますが、ごめんなさい」
と、何でだよっ!と掴み掛かろうとするダン。
それをゲンさんが止めて、バンの人生はバンのものだ、とダンに言い聞かせる。
「バンは家族で奴隷じゃない。俺は無理強いはしたくないからな、バンがやりたい事をやれば良い」
「だけどっ!」
「ならお前はやりたく無い事を無理強いされたらどう思うんだ?」
「そんなの嫌に決まってるさ!」
「ならわかるだろ?バンの好きにさせてやれ」
そんなやり取りを俺は黙って見ているしか無かった。
最初のコメントを投稿しよう!