54人が本棚に入れています
本棚に追加
次に目を開けた時には絶対に天国か地獄だと思った。
なのに此処は何処だ?
薄暗い場所だけど俺はベッドに寝かされていて。
木の香りに包まれている事から、此処が誰かの家なんだろうな、と推測できる。
俺はまだ生きてるのか。
だって死んだならこんなに身体が重いなんて感じない筈。
身体のあちこちが痛んだりしない筈。
顔見知りのおじさんは、死んだら何も感じなくなるんだと言っていた。
だから早く死にたい、と。
だけどおじさんは、死ねない、とも言った。
離れ離れになってしまった家族が居るのだ、と、あの場所に帰りたいんだ、と。
だから、帰る場所も待っていてくれる人も居ない俺は、死んでしまえばこの生活から楽になれるんだ、と思い、抗うのを止めた。
もう直ぐだと思ったのに、何で俺はまだ生きているんだ?
最初のコメントを投稿しよう!