願うはただ君の幸せ

これまでの事

だから俺もベッドに寝かせて貰ってるのか。

もう動けないとみられたのか、拘束もしてないから、逃げようと思えば逃げられるかもしれない。

現状では身体は重いが、魔法を使えば逃げられなくは無いだろう。

幸い、ドアの外に人の気配は無い。

だけど魔法を使ってるのが見付かれば、その場で殺されるだろう。

魔法使いは狩られる対象だからだ。

昔は多く居た魔法使いは、温厚で人々の役に立つ行いをする存在だったそうだ。

だが、その力を恐れた１人の人間が、短慮な魔法使いを陥れた。

部下に魔法使いを馬鹿にさせて、それに怒った彼はその人間を殺してしまった。

それを切っ掛けに、人間は魔法使いを敵視し始めて、片っ端から魔法使いが殺されていった。

本来は魔法使いの方が強いのだが、魔法使いの犯罪者を捕らえる為の魔力を封じる拘束具を使われてはどうしようも無かった。

なので血気盛んな者以外はコッソリ逃げて、魔法を使わずに人間に紛れて暮らしてきたのだ。