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俺の先祖もそうで、街でひっそり人間として暮らしていたのだったが、俺が10歳になる少し前に母親が拐われそうになり父親が魔法を使ってしまった。
父親は俺達を連れて慌てて逃げたが、途中で追い付かれ、父親は俺に『生きろ』と言うと俺を飛ばした。
その後の両親がどうなったのかは知らない。
俺はと言えば、森に飛ばされたお陰で木々がクッションになり、怪我も無く助かった。
森の深い場所だった事もあり、追手は来なかったから、俺はそのまま森で暮らし始めた。
魔法を使うと見付かる気がして、魔法無しで必死で生き抜いた。
それから1年後、偶々森の入口付近に狩りに行ったら、ハンターと遭遇してしまった。
が、普通の捨て子と間違えた彼は、俺を街に連れ帰り、面倒を見てくれた。
学校にも行かせてくれて、俺は普通の人間として暮らしていける様になった。
噂で両親が殺された事を知ったが、やっぱり、と思うだけで、彼を父と慕い手伝いを頑張った。
幸せな日々だった。
が、それは突然壊れた。
ある日、彼は、森にハントに出たまま帰って来なかったのだ。
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