2話

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カッチ、カチ… 煙草に火をつける。 「ふぅ…」 今は分煙の時代、喫煙所にて。 スマホ片手に一服。そんな中、タイミング良くスマホが鳴る。 「眼鏡…?」 思わず声がもれる。 「もしもし、どうした?」 『すみません、今大丈夫でしょうか?』 「大丈夫だけど」 『今日その、お仕事どれくらいで、終わりそうでしょうか?』 「別に普通じゃね?」 『そ、そうですか…』 「言いたいことがあるなら言えよ」 歯切れが悪い。 コイツはまだ俺に気を使っている。それがヒシヒシと伝わって来るんだ。 『あの…僕ちょっと遅くなりそうで、その…』 「チビのことか?」 『はい…』 「迎えに行けばいいんだな?」 『すみません…』 「謝んなよ、別に仕事なら仕方ねぇだろ?俺は別に今日は早上がり出来そうだしダメならダメって言うし」 『…すみません』 イライラ倍増だ。 そりゃあ妹と兄である俺に気を使うのは当たり前だけど、毎回その気の使い方がカンに触るんだよ。
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