74人が本棚に入れています
本棚に追加
『ねえ、兄貴。アタシ、死ぬと思う?』
いつだったか、妹がそんなことを言い出した日があった。真っ白なベットの上で横たわり、よくわからん大それた治療器具を前に。
『お前みたいな図太い女がそう簡単に死ぬか』
『…だね。うん、』
妹は常に強くあろうとしていた。弱い自分を隠すのがうまくていつもヘラヘラ笑いながら「大丈夫、なんとかなるっしょ」て笑うような強ぇ女だった。
いつだってそうであると、そうであってほしいと思っていた。
『でもさ、もしもアタシが死ぬことがあったら、最後のお願い…ううん、一生のお願い聞いてくんない?』
苦笑する妹に俺は頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!