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時間は7時を回ったところ。
俺は慣れない園内へと足を踏み入れる。ほとんど人気がなく、仕事が遅くなる親の子供だけがこの時間まで預けることが可能だと言う。
薄暗い園内に子供のシルエットがぼんやりと見える。
「チビ」
「…貴方はえっと」
黒い髪の少年…いや、見た目は高校生だけどこのエプロン姿はここの保育士だろう。
その膝にはすーすーと寝息を立てる二つ縛りの少女。
「そいつうちのなんだ」
「奈々ちゃんのことでしょうか?」
「ああ、妹の子供なんだ。代わりに迎えに来た」
「も、もしかして千晃のお兄さんですか?」
「…お前千晃の知り合いなのか?」
「おれ、千晃の同級生で…多分こうしてお兄さんと話すのは初めてで…」
あー嫌だな、こういう感じ。
同情だの傷の舐め合いだのそんなことはしたくねぇ。そういう哀れんだ目で俺を見るんじゃねぇ。
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