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選ばれし者に与えられた神の“能力”。
しかし、近藤が危険視していたのはこの決戦で、両陣営のプレイヤーが目撃し、怖れ戦いた“その”能力では無かった。
それと同時に、神もまた己の“真実”を知る近藤を誰よりも危険視していた。
───時は近藤と神が行動を共にしていた頃まで遡る。
「まさか。嫌、しかし本当にそんな能力が──。」
「有る。今、此を知っているのはお前と私だけだ。」
疑心を揺らぐ近藤の心を照らす光(自信)が、その答えにはあった。
「しかし“ループ能力”ってのは──。」
「正に“神の所業”か?」
笑みを浮かべ答える神。
「恐らく、黒田が思い描いた範疇を越えているだろうな。その分、私が負う対価は重いものとなる。」
「太陽に近付きすぎてその羽を失う、か。」
「ループさせるために支払う対価は、命力と記憶だ。変える事実が大きく困難な程、より多くの“私”を持っていかれる。イエスに敗れたお前を救ったときには命力に留まらず命さえ削られたがな。」
「ははっ。知らない間に大きな借りが出来てたみたいだな。」
「まぁいい。お前を倒すのはこの私だからな。」
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