巡る世界

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それから月日は流れ、互いに守るべき場所(もの)が出来た。 それは大きく、今やその場所が二人を作り上げていると言っても過言では無い。 二人の身体は守るべき場所で満たされていたが、奥底に隠された真髄で眠るのは互いの存在であった。 しかし、荒々しくも平穏な日々は運営の思惑(知らせ)によって崩される。 新撰組とメビウスの輪の全面戦争。 避けようがない事実。逃げようがない運命。 そうだな。奴とは友である前に好敵手(ライバル)。 戦好きな奴ならば、又、私と拳を交わせることを嬉々として待ち望んでいるだろう。あの嫌な笑みが閉じた瞼に映る。 「掴むぞ明日を──。往くぞ未来へ──。」 「えぇ。分かっていますよ。」 「神の選ぶ明日へ着いていくだけだよー。」 「天草って奴と戦ってみてぇな。」 部屋に響く、三つの和音(声)。 嗚呼。私は幸福者だ。 私には多くの夢がある。共に叶えてくれる仲間がいる。 近藤と共に渡り歩いたあの頃と比べると随分大きくなったものだ。 “能力”を使い数々の障壁を崩してきたが、未だに真実を知るのは近藤ただ一人。 未来から戻り衰弱した体を治すために、治療部隊を側に置いているが、彼らにも衰弱は“探索能力の対価”だと説明している。 済まない。余計な心配は掛けたくない故の嘘。 三国志には私の心の拠り所として延々に側にいてほしい。 この戦を制し、運営を滅ぼす。 忌まわしき過去を身体に刻んだ三国志と共に誓いあった夢。 必ずこの戦を制し、呪縛(運営)を砕く。
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