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 キレイに染められたアッシュブラウンの襟足に掛かるぐらい伸ばされた髪は、いつも艶々で天使の輪を描いている。  二重の、だが切れ長で野性味溢れる双眸は、鋭いが男の色っぽさを感じさせた。  日本人にしては高い鼻筋と大きく厚めのある唇は、いつもセクシャルな笑みを浮かべている。  バスケ部のエースで生徒会の副会長もこなした成績優秀なこの男と、何故ヤンキー崩れの男が付き合うことになったのか。  透はその事を考えると、いつも不思議でならないのだった。 (俺って女の子大好きだったのに、何でこんななんちゃってヤンキーで親父な男、好きになっちまったんだろうな~)  首をかしげながらも、でも透は自分が恵太に惹かれたのは偶然ではなく運命だったと、今ではそう感じている。  あんなに反発し、嫌な奴だと思っていた相手だったのに、いざ話をしてみると恵太は意外なほど面倒見がよく、物事に対して真剣に考える奴だった。  おまけに寂しがり屋で甘えた、なのにけっこう強情で意地っ張り。  そのギャップと、自分だけにその姿を見せる優越感に、透は密かに酔いしれていた。  そんな二人がただの友人同士からセックスを伴う恋人関係に発展したのは、高校2年の秋。    ちょうど1年ぐらい前の、こんな夕暮れがキレイな日だった。  放課後の自分たちの教室で、何故か透と恵太は二人きりそこに残っていた。  1年の時から同じクラスだったと言うのに、あまり話した事がなく、話せば何故か反発しあっていた二人が、何故かこの時お互いが気に入っていた音楽の話題になり意気投合した。  そして、知らず二人でいる事が多くなり、自然の流れでベッドを共にまでしてしまう仲になっていた。  透は今まで女としか付き合ったことしかなく、ましてセックスも女としかした事がない。男同士のセックスなどこの時まで頭の隅にもなかったのに、透は恵太のすべてに魅せられていた。  特にあの大きな目を潤ませて上目遣いでもされたらたまったものではない。
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