2/11
前へ
/11ページ
次へ
 それってとんでもなく非効率的ですよと彼女は眼鏡をくぃと押しあげながら強くぼくに言った。うんそうかー。紅茶をもうひとくち飲むとほどよい甘さが喉を転がり落ちる。砂糖を入れすぎないことがかんじんだと思う。 「だって粗末な燃料を口からとりいれてあれこれ遠回り。発電方法としては最悪ですよ」 「そんなことぼくに言われてもなぁ」 「発電の構造に無駄が多いのみならず、毎日三回以上の面倒な作業を繰り返してやっと動力を得る生活は、時間の浪費という観点から考えても実にコスパが悪いです。 非効率的な発電に来る日も来る日も依存し続けているので、近頃はあなたがさらに頼りなく見えてきました。この際やめてみては?」 「えっやめるの」 「はい。半年ほど、燃料を口に入れる作業はやめにしてみましょう」 「いやそれ死んじゃうからねぼく」 「試してみないと判りません」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加