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「しかし、呆れるほど非効率的な発電をしている自身が恥ずかしくはないのですか」 「だからそんなことぼくに言われてもなぁ」 「羞恥を誤魔化すために改善策まで無視するのですね」 「改善策ってもしかして例のひどく苦しい自殺のこと言ってるかな? 人間を作ったのはぼくじゃないんだよ。消化器官に文句があれば神様に言ってくれる?」 「神というのは人間が人間の弱さから逃避する一つの手段として創造した都合のよいごっこ遊びに過ぎず」 「うわー出たー機械はこれだからさ」  スーツのポケットへ手を伸ばした。切って持ってきていたPTPシートをつまみあげ、指先でぷちっと錠剤を押しだす。 落とさないよう右手でしっかり鼻炎薬を包んでおいてゴミのほうはポケットへ戻そうとし、彼女に奪い取られた。 「うわなにすんの眼鏡」 「なんですか眼鏡。ゴミくらいちゃんと捨ててくださいよ」  眼鏡が曇るのも構わずティーカップを傾けたぼくの左手から今度はそれも取りあげる。首にかかる彼女の黒髪が動作にあわせてさらさら流れた。
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