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──どうしようもない、渇き、だった。 軋むベッドのうえでのそのそ動き、ゆっくり身体を起こす。焦点はまだ定まらない。時計の短針は4を指している。軽く頭を揺すると、芯の辺りで鈍い痛みが覗いた。 4畳半の小さな部屋に、無造作に広がる薄青のワンピース。ミニテーブルに林立する空き缶。普段はそれなりに整った部屋の中だが、今はかなり散らかっている。 テーブル上のペットボトルに手を伸ばし、キャップをひねり、残りを一気に飲み干す。多少溢してしまったが、気にするほど頭が働かない。空になったボトルも、いつの間にかカランと音を立てて落ちた。見上げた天井に薄ら日が差し始める。 次第に強まっていく光を、ただじっと見ていた。
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