夏祭り

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「え?夏祭り?」 高校二度目の夏休みに入って六日、早くも気温の高さにダウン寸前な私は、リビングのソファに寝転がって棒アイスを食べながら、理恵と電話をしていた。 『そう、隣町の夏祭りが結構大きいらしいんだけど、今年は弟の面倒見なくて良いから行けそうなんだよね。だから明日香、行ってみない?一度で良いから行きたいんだ』 あー、そっか。 理恵の兄弟は、お姉さんが一人に、双子の弟が二人。 休みの日になると、理恵が小学生の弟の面倒を見なきゃいけなくて、ろくに遊びに出られないって聞いた事がある。 だから、こうして理恵から誘われるのは珍しかった。 「そっかぁ。じゃ、行こう。私もその夏祭りは行った事がないから、ちょっと楽しみかも」 毎日特に用事もなくて、暑さに負けてダラダラと過ごすだけだし。 あまりに暑いから、子供の頃に使っていたビニールプールを庭に出して、水遊びをしようかと思ってたくらいだから。 『やった!じゃあさじゃあさ、一緒に浴衣着て行こうよ!こういう事でもないと、浴衣なんて着る時がないからさ』 「浴衣かあ、それも良いねえ。ところでその夏祭りっていつあるの?」 確か去年、花火を見に行った時に着た浴衣が家のどこかにあったはず。 体型は変わってないはずだから、問題なく着れると思うけど……どこに片付けたかわからないから、探さなきゃ。 ま、明日探せば良いよね。 なんて考えていると。 『え?今日だよ?』
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