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「重くて厚みのある箱はダメだ……狙うは、重心が高くて接地面積が少ない景品。それはズバリ、これだっ!」
ブツブツと独り言を呟いた後、狙いを定めた翔太の銃口からコルクが飛び出した!
狙いはバッチリ。
まるで吸い込まれるように、チョコレート菓子が入った筒状の容器に直撃して後ろに倒れる。
位置も景品台の奥に近くて、確実に取れる!
と、思われたけど、筒状の容器が長くて、上段の景品台に弾かれてしまい、落下する事はなかったのだ。
ニヤニヤと笑いながら、おじさんが容器を元に戻す。
「残念だったな、坊主」
「く、くそっ!遠近感がつかめなかった!まさか景品台が邪魔になるとは!」
「そうなると、どれも取れそうな気がしねぇぜ……俺達はとんでもねぇ店を選んじまったんじゃねぇのか?」
殺伐とした雰囲気が漂う男子とは違い、私と理恵は実にほのぼのとしている。
二発、三発と、キャーキャー言いながら撃って、当たっても当たらなくても楽しんでいた。
「あーん、全然当たらないよー。取りたいなあ、キャラメル」
「ここでも甘いもの狙いなの!?コンビニで買った方が絶対に安いよそれ」
そうは言いつつも、私も酢昆布なんてコンビニで買った方が安いとわかってるんだけど。
どうしてもムキになってしまうのは仕方ないのかな。
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