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そして私達は、理恵の提案通りに屋台を見て回る事に。
やっぱり真っ先に向かったのはわたあめのお店。
満面の笑顔でふわふわのわたあめを食べて、満足そうな声を漏らす。
「あーん、美味しい。弟達がいたら、すぐに食べられちゃうから、一人で食べられるなんて幸せ」
「り、理恵は本当に旨そうに食べるよな。見てる俺まで食べたくなってくる」
時間としては丁度晩御飯時で、お腹が減っていてもおかしくはない。
私もお腹は減ってるはずだけど……帯でちょっぴり締め付けられてて、それほど空腹を感じない。
酢昆布も食べてるしね。
「だって、本当に美味しいんだもん。いくつでも食べられそうだよ」
翔太が物欲しそうに見ているけど、理恵は目の前のわたあめに夢中なようで、その視線に気付いていない。
理恵の甘いものに対する想いは凄まじいよね。
「ま、食いもんもいいけどよ、他の店は良いのかよ。お前ら昔はヨーヨー釣りとか金魚すくいとかしてただろ?」
ジェスチャーを加えて、高広が尋ねるけど……それって一体何年前の話よ。
でも、高広ったら、そんな昔の事もまだ覚えてたんだ。
本当に小学生低学年くらいの頃の話なのに。
そう考えると、昔に戻ったみたいでなんだか嬉しくなった。
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