夏祭り

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ハッと鼻で笑って、バカにしたように健司の背中を叩いた高広。 店の人も、占い師も、不思議そうに首を傾げている。 「じゃあ次は俺が……」 そして健司の番。 占い師も気を取り直してジッと健司の右手をルーペで見るけれど……。 「……こ、この子もそうだ。今年中に大きな試練が……キミ達、同じ学校の友達かな?」 「え、あ、はい」 「だとしたら、学校単位で何か大きな試練があるのかもしれない、気を付けなさい」 その占い師の言葉に、私は少し嫌な感じがして、占ってもらいたいという気が完全に削がれてしまった。 私だけじゃなく、留美子と理恵も同じなようで、男子が占ってもらった後に、誰も占ってもらおうとはしなかった。 そして、一通り屋台を回り打ち上げ花火が見える広場に。 その頃にはもう、占い師に言われた「大きな試練」というのも笑い話に変わっていて、占い結果を皆で見ていた。 「なになに?翔太の恋愛運は『あなたの想いが、今、好きな相手にとどく事はないでしょう。ですが、三年後に出会いがありますが、それに気付かない可能性もあるので気を付けましょう』だって。なに、あんた好きな人いるの?」 やっぱり人の恋愛運とはいえ、気になっちゃうよね。 留美子のその問いに、翔太はメガネをクイッと指で上げて、首を横に振った。
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