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「な、何言ってるんだ。所詮機械での占いだろ?そんなのあてにならないね」
占ってもらう前は、あんなにソワソワしていたのに。
終わった途端これなんだから。
高広と健司の結果も見て、留美子がお腹を抱えて笑う。
人の結果を見て大笑いなんて、他の人がやったら失礼に思えるけど、留美子だとそれが普通に感じるから不思議。
「ねえ、明日香。もう考えた?射的の勝負のやつ」
そんな中で、理恵が私に声を掛けてきた。
ああ、負けた人が、勝った人のいう事を聞くってやつね。
花火までに考えるって言ったけど……どうしよう、皆といるのが楽しくて、まだ何も考えてないよ。
「え、えっとねぇ。何も考えてない……かな?」
「そうなの?もうすぐ花火が始まっちゃうよ?」
そんな事言われても、何を言えば良いのかわかんないよ。
留美子と健司は勝負に関係ないし、高広と翔太と理恵だけに何を言おう?
こんな事なら、射的が終わった後に何でも良いから言っておけば良かったよ。
「じゃ、じゃあ……」
特に何も思い付かなかったけど、何か言おうと口を開いたその時だった。
辺りが赤く光り、身体をビリビリと震わせる音が聞こえたのは。
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