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授業中、誰も歩いていない静かな廊下を歩き、屋上へと続く階段を上る。
大きな声を出せば、授業をサボっている事がバレちまうから注意が必要だ。
「もしも誰かが盗撮してたらどうするつもりだ?先生に報告するのが筋だと思うけど」
「これだから優等生はよ。良いか、チクりでもしてみろ。なんで俺達がそれを知ってるんだって事になるだろうが。授業をサボってんのがバレバレだぜ?」
「そ、そうか……そうだよな。なんだか悔しいな、それは」
深く考えてなくても良いんだよ。
盗撮なんて、俺の推測でしかないからな。
いた時はいた時だ。
俺に、そいつらを捕まえてやろうなんて正義感はねえし、本当に盗撮してるならしてるで、シャッター音が聞こえてるって言ってやるだけだからな。
そんな事を考えながら、屋上の入り口までやって来て、ドアを開けた。
「こっち側にはいねえな。やっぱ、あっち側か」
この出入り口の裏手。
人がいるとすれば、プールがあるグラウンド側なんだろう。
「本当に誰かいるのかな……」
「さあな、いたとしても、モテそうにない変態が一人いるくらいじゃねえの?」
世の中には、そんなバカがいるからな。
そう言って、屋上のグラウンド側に目を向けると……。
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