逢魔高校盗撮事件

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「え、えっと。俺は中島です」 「俺は袴田だ。先輩の事は先輩って呼べば良いよな?」 「中島くんに袴田くんだね。よし、キミ達を歓迎しよう。皆集まれ、我々の新しい同志だ」 松崎がそう声を掛けると、今まで寝そべっていたやつらが急に身体を起こし、俺達の方に足音を立てずに近寄って来た。 な、なんだこいつら、気持ちわりい! 「あ、足音がなかったぞ!そうか、屋上と言っても歩けば音がする。それは階下に響いて先生に気付かれてしまうからだ!盗撮にかける情熱は、足音までも消してしまうのか!」 その情熱を別の所に向けたら、きっとキモいも変態も言われなくなると思うぜ。 それに、俺と翔太はお前らの同志になったつもりはねえ。 「こっちのメガネが中島くん。そしてこのリア充そうなのが袴田くんだ。この時間、我々と共に行動する。仲良くしてやってくれよ」 なんて紹介だよ。 別に良いけどよ。 それにしても……集まった11人を見てみると、見事に特徴がねえな。 デブが四人、ひょろいのが四人、普通のが三人……こいつらの名前は覚えなくても良いな。 覚えられる自信もねえし、多分、今後廊下ですれ違っても気付きもしねえと思うから。 ……出来るだけ向こうからも声を掛けてもらいたくねえもんだ。
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