1519人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、えっと。俺は中島です」
「俺は袴田だ。先輩の事は先輩って呼べば良いよな?」
「中島くんに袴田くんだね。よし、キミ達を歓迎しよう。皆集まれ、我々の新しい同志だ」
松崎がそう声を掛けると、今まで寝そべっていたやつらが急に身体を起こし、俺達の方に足音を立てずに近寄って来た。
な、なんだこいつら、気持ちわりい!
「あ、足音がなかったぞ!そうか、屋上と言っても歩けば音がする。それは階下に響いて先生に気付かれてしまうからだ!盗撮にかける情熱は、足音までも消してしまうのか!」
その情熱を別の所に向けたら、きっとキモいも変態も言われなくなると思うぜ。
それに、俺と翔太はお前らの同志になったつもりはねえ。
「こっちのメガネが中島くん。そしてこのリア充そうなのが袴田くんだ。この時間、我々と共に行動する。仲良くしてやってくれよ」
なんて紹介だよ。
別に良いけどよ。
それにしても……集まった11人を見てみると、見事に特徴がねえな。
デブが四人、ひょろいのが四人、普通のが三人……こいつらの名前は覚えなくても良いな。
覚えられる自信もねえし、多分、今後廊下ですれ違っても気付きもしねえと思うから。
……出来るだけ向こうからも声を掛けてもらいたくねえもんだ。
最初のコメントを投稿しよう!