第1章

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どのタイミングでお伝えすればいいのだろう カウンターの向こう側 赤いワインと見つめ合う恋人たち さっきお出ししたおつまみ すぐにお下げして作り直したけれど 彼は口にしたよね、たぶん… だって凄く顔色悪いもん 言えない、言えない、会話に入れないどうしよう 調味料間違えた、甘過ぎた? なんで何も言わないんだろう 「マスター、一杯くれないか」 やっぱり~お口直しでしょ~ きっと彼女がいるから何も言えないんだ そうか、塩分で中和したいのかな? 「あれ…塩?」 はい、 ソルティードックはお詫びのサービスでございます コクリと目で合図 申し訳なくて一瞬目をそらすと 彼はそこにもういない そして彼女も席を立った "どうしよう…誰か助けて…" きっと、わたしは接客業に向いてない。 image=500012391.jpg
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