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僕は体調が優れない
どの病院で診察を受けても
原因がはっきりと分からない。
ふと、
昔から近所で評判の良い医師の名前を思い出した
果たして予約は取れるのだろうか、
藁をも掴む思いで検索して電話を掛けてみると
「お待ちしていただくお時間が掛かりますが、よろしいでしょうか」
仕方がない、当然そうだろう。
そこは、趣のある古めかしい個人病院で
不思議なことに待合室には誰もいない……
ベテランの看護士が受付も兼任している様で
とても穏やかで、静かな声でそっと囁いた
「こちらで暫くお待ちください」
コチコチコチコチ
薄暗い診察室で経過する時間はとても長く感じる
ギィ、ギィィィーーー
奥の扉がゆっくりと開いた
カツン…カツン…カツン…カツン…カツン…カツン
白髪の医師は歩くのがとても遅い
ゆっくりと椅子に腰を掛け
背中を丸めて、じーっと床を見つめたまま
「お名前は?…え?聞こえないですよ~」
まだ言っておりません…
脈を測る指が小刻みに震えている
「あなた、脈が速過ぎますね~」
準備中の検査機器のスイッチを3回ほど押し間違えている
そして、震える手で血液検査の注射を取り出した
"誰か助けて~"
僕は心の中でそう叫んだ。
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