レンタル王子

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***  その日の午前中は大変な騒ぎだった。  朝の登校風景を見た人たちが、新しい青海大志の彼女だと噂を広げに広げ、昼休みまでに学年を問わずたくさんの人たちがあたしのことを見物しにやってきた。  廊下に面する窓から覗き込む人、ドアから顔を出す人と様々だったが、決まって自分の方を見て、何人かでひそひそと話すのだった。 「もう、最悪だ……」  昼休みになって、伸びをする。  休み時間が全然休み時間じゃない。むしろ授業中の方が、余計な視線がないだけまだましだ。 「転校早々災難だねえ」  加奈子と千佳がお弁当をそれぞれ持ってきて、あたしの前の席をくっつけた。 「本当に!!」  今も、ちらほらと女子生徒がこちらをちらちらと伺っているのがわかる。  きっと、数日すればすぐに収まるだろうと思いつつ、我慢して机を二人のそれに寄せる。
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