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「家、ここだから」
「おう」
ごく普通のマンション。これがあたしのおうちだ。
二週間前に引っ越してきたばかりなので、まだ周りのことはよく知らないけれど、駅から遠すぎるわけでもないし、近くにはいろんなものがあるし、あたしも両親も満足している。
手を離すと、大志は携帯を取り出した。
「連絡先」
きっと何を言っても聞かないだろうから、あたしも大人しく携帯を取り出して、電話番号と連絡先を交換する。
「明日、朝8時。迎えにくるから」
「結構です」
大志が言い終えると同時に断りの言葉を瞬時に放つと、信じられないと言った表情でこちらを見てくる。
「お前、この俺様が迎えに来てやるって言ってるんだぞ」
「知らないわよ、そんなの」
俺様だろうが学校では有名人だろうが、こっちは知ったこっちゃない。
朝のたくさん人がいる時間帯に一緒に行くだなんて、まっぴらごめんだ。絶対注目の的になることは目に見えてる。
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