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「いや、友達と周る約束してるんですけど」
「空けろ」
「いやいやいやいや」
「空けろって」
そんな言い合いをしているうちに、どんどん学校に近づいてくる。近づくにつれて、もちろん生徒も多くなるわけで、どういうわけか、みんなぎょっとしてこっちを見るのだった。
「……なんか、見られてない?」
「あ?……いつも通りだ、気にすんな」
「何その適当な感じ」
「いいだろ、別に」
「よくない」
どこからか「うわ……あの女子やるな」とか、「あの青海くんにたてついてる……!?」とか、「あれがもしや、新しい……?」などとひそひそ声が聞こえてくる。
「だから朝一緒に来るのはいやだったのよ!」
「だから気にするんじゃねーよ!」
喧嘩のような会話を、結局この日は校門まで続けたのだった。
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