レンタル王子

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「どこ行くの?」 「秘密」  そういうと、大志はあたしの隣に並んだ。 「こっち」  階段を上がる。  ここは確か…… 「屋上?」 「正解」  大志がちょっと錆びたドアに、鍵を差し込んだ。ガチャリという音がして、重そうなドアを開けると、きれいな青空が広がっていた。 「おー!」  この学校では、屋上に入ることは危ないからと許されていない。誰もが一度は憧れる屋上でお弁当を食べるというシチュエーションを、今日あたしは叶えることが出来るらしい。  ……なぜ、大志がここの鍵を持っているのかは分からないけれど。 「いいだろ、ここ。俺の秘密の場所」 「秘密の場所なのに、いいの?あたしなんかが入って?」  そうあたしが言うと、大志はふっと笑った。 「お前は他の女子となんか違ってきゃーきゃー言わねえし、平気だろ」  大志がどかっと腰を下ろすので、あたしもその前に座った。
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