第1章

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俺には美人で付き合うならこんな美人という理想の先輩がいる。彼女が初めてイラストを描いたのは中学生のときで、授業で使うノートの隙間にシャーペンで好きなキャラを適当に描いていた。あれから、一年後。何とか画材を集めて、下手なりにコピー本だが一冊の同人誌をひとりで作った、そこからさらに二年後、高校で入部した文芸部で同じ趣味の仲間を得て、ちゃんと印刷所を手配し、皆で協力し合い、ちゃんとした同人誌を作ったが、サークルの抽選に落選し、初めて作った同人誌は知り合いに配っただけで終わった。 落書きから始めて、何年もかけたが、次第にサークルの抽選にも当選するようになり、知り合いも増えて、落選しても、知り合いのサークルに本だけは置いてもらえるようになり、だんだん、印刷所に発注する数も増えて、文芸部の先輩である副部長は同人活動にずっぽりはまり、夏が近づくにつれて同人誌のことばかり考えているダメな人に。見た目は真面目そうで勉強ができそうな先輩なのに、一皮むけばものすごく発酵してる残念なひとに成長していた。いや、腐っているのを誇りに思っている節が。
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