1人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺さ、第二外国語でフランス語の講義を
とってるだろ?それで、ある日普通に講義に
出たら、フミに言われたよ。
『あなたは、運命の人です。
どうか、わたしと付き合って下さいっ!』って。
よくよく聞いたら、
朝の占いでそう出たんだとよ。
こっちはイミフだよ。何イってるの?って感じ。
フミは思い込みが激しいから、信じたら疑わない
こっちからしたら良い迷惑だよ。
それからずっーと付きまとわれているんだよ」
「大した事ねーのっ!」とシロウは言った。
シロウからしたらツマラナイ話だったのではなく
「ネタ」としてツマラナイからだった。
「もっとさぁ、何かあると思ったら
そんなんかよっ。聞くだけ損したわっ」
シロウが言うのもよく分かる。
シロウはいわゆる都市伝説の類いの話が好きだ。
テレビでやってるアレを始めとして、
ネットなどでも調べるくらいの好き者だ。
フミが好きになったからには、フミなりの、
嘘か真か分からない理由があったとの
想像をシロウはしていたようだが、
残念ながら、本当にそれだけだった。
「聞くだけ聞いておいて、その反応はねーだろ」
「なー、なんかでっち上げれねーか?
『幸運の赤い糸』で結ばれてましたー。とか」
最初のコメントを投稿しよう!