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「先生方のおっしゃられることは正論であり最もです。ですがここは俺の顔に免じて……」
そういって俺はじっと先生達をみた。
元々きつい目付きの俺は小さい頃から周りに「なんで怒ってるの?」と尋ねられた。
この教師達もまさにそう言いたげな表情だった。
岡本と林は漫画の雑魚キャラの様に舌打ちして、次は無いぞとだけ吐き捨てて去っていった。それを見た生徒会の生徒達も教師の後を追う。
……セーフ!
だが、なんで先生達にまでビビられてんだ?
ふぅっと安堵(あんど)する俺の背中から黄色、いや紫色の歓声が飛び交う。
「さすがはスバルさんっす! さすがっす!」
「あいつら、俺達の事をストレスのはけ口にしてんすよ!」
「……でもお前らも気ー付けろよ。面倒だろ?」
面倒なのは俺なんだよ不良共!
お前らみたいに勝手に俺を慕うアホ共がいるから誤解に拍車がかかんだよ!
二人は素直にはいっ! と覇気のある返事で答えた。
よしよし、ホントはお前らと話すのにも俺は勇気がいるんだぞ? 基本オタクだから。
じゃあな。とだけ告げて昇降口に向かおうとする俺を二人は顔を見合わせて恐れ恐れ尋ねてくる。
「あ、あの、こんな事聞いたらアレなんですけど……」
「なんだ?」
二人はもう一度顔を見合わせてから、
「は、花咲さんって人……殺したことあるんすか?」
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