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はァ?
あるわけねーだろうが!
――だがこれで合点がいった。さっきの教師達は……なるほどそういうことか。
「お、おいやっぱりホントなんじゃ……」
理解するのに時間が掛かったせいか無言の時間がいつのまにか真実味を深めようとしていた。
こいつらはどうあっても俺を恐怖の大魔王に仕立てあげたいようだ。
おい、その一声にびくっと大きく肩を震わせる二人。
「それ誰に聞いた? その噂広まってんのか?」
「えっ……それじゃホント、なんすか?」
「待て。そんなわけねーだろ。そんな根も葉もない噂信じてんじゃねーよ」
「はぁ~~ちょっ! 驚かせないでくださいよ! でも僕ら一年の間じゃみんな知ってますよ。多分全校生徒……」
ぜ、全校生徒……。
目眩と共に蘇る過去のトラウマ。
不良と呼ばれるきっかけになった小学生の頃の事件。
――最悪だ。そしてこの先俺のあだ名が分かりきってしまう事も最悪だ。
呆然(ぼうぜん)と佇む俺にぺこっと会釈をして二人は昇降口へと消えていく。
あれ、どうしよ、帰ろうかな……。
……。
――帰れない!
普段男(・)のスバルはここには居ない!
居るのは漢(・)スバル!
行くしかない!
けど、
――やっぱり嫌だなぁ~~~~~~~~~。
校門のところでくるくる回る俺を危ない奴を見る目で避けていく生徒達。
やめよう。これ以上変人に思われたら死んじゃうよ。世間的に。
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