第一章 花咲スバル

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「昔からそうよね、周囲の目ばかり気にして。しょうがないから。一緒に入ってあげる」   「ぅう、つ、つばき様……」 だが、ただし! と釘を刺してきた。   「学校にいる不良共の更生に努める事! 生徒会に面倒かけないで。こっちのあんたなら出来るでしょ」  椿はこっちの僕の立ち位置をよく分かってる。 少し悩んでから、   「承知致しました。神様」  これは間違いなくその場のテンション+助けられた事による相乗効果で後から引き受けたことを後悔するタイプのアレだ。   話を聞いてみると、どうやら今日の服装頭髪検査は椿が提案したものの様であまりに風紀を乱す輩が多いとの事で神はご立腹だった。   「じゃ、頼んだから。行くわよ」   そうだ、僕、いや! 俺なら出来る!   俺はすくっと立ち上がり「任せろ!」と威勢よく声を張った。   それから教室に向かうまでは椿の後ろをひょこひょこと付いていき人目に付く場所だけ胸を張って歩いた。   そして教室、若干の不安を抱えつつ担任がまだ来ていない教室に椿と共に入る。
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